家計と身体にやさしいZEH住宅
地球温暖化など環境問題から、世界基準での省エネルギー化が必要となっている今、日本でも国策としてゼロエネルギー化が推進されています。
その一つが、住宅における「ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」基準です。
ZEH(ゼッチ)とは、「エネルギーを自給自足できる住宅」のことです。新築一戸建ての場合、ZEH基準を満たすと大きなメリットがあります。
ZEH(ゼッチ)とは?
ZEH(ゼッチ)とは、「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略です。
住宅の省エネ性能を高め、さらに「創エネルギー」によって年間の一次エネルギー(石油、天然ガス、太陽光など自然界から得られるエネルギー)の消費量の収支をプラスマイナスゼロ、あるいはプラスのほうが上回る住宅のことを「ZEH(ゼッチ)住宅」といいます。
政府は2020年を目標に、「ZEH(ゼッチ)住宅」の標準化を目指しています。また、2030年までに新築住宅におけるZEH(ゼッチ)の平均化を実現させることを目標としています。
ZEHの主な2つの要件
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要件1 強化外皮基準(UA値の基準値)
ZEH基準の中でも、特に注目されているのが「強化外皮基準」です。
住宅の省エネルギー基準(省エネ基準)には、外皮面積あたりの熱損失量を示す「UA値(外 皮平均熱還流率)」が用いられています。
UA値の基準は、地域ごとに異なります。その基準は次のとおりです。地域区分 ZEH基準 1地域
2地域0.40以下 3地域 0.50以下 4地域
5地域
6地域
7地域0.60以下 ※岡山県は5地域または6地域に分類されます。
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要件2 一次エネルギー消費量を20%以上削減
一次エネルギー消費量が、省エネ基準(平成25年)よりも20%以上削減できる住宅であることも、ZEH基準の一つです。
ZEH住宅を建てるための3つのポイント
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Point.1 断熱
夏は涼しく、冬は暖かい家の実現 ── 住宅の断熱性能を上げることで、エネルギーロスを最小限にとどめることができます。
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Point.2 省エネ
HEMS(ヘムス)やエネルギー効率の高い電気機器などを利用することで、家で消費する電力量を無理なく減らし、省エネを実現!
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Point.3 創エネ
太陽光発電などを利用し、家で消費するよりも多くのエネルギーを創ることで、ZEH(ゼッチ)基準をクリアすることが可能に!
ZEH住宅を建てる2つのメリット
Merit.1 家計にやさしい ── ZEH住宅を建てると補助金が出る!
ZEH住宅を建てるメリットの一つに、「ZEH補助金」があります。
ZEH仕様を普及させるため、国が補助金を出しているのです。
国によるZEH補助金の主な内容は、次のとおりです。
何かとお金が掛かる家づくり。しかし補助金があれば、将来設計にも役立ちます。
事業名 | 対象となる住宅 | 補助額 |
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ZEH補助金 | ・ZEH ・Nearly ZEH ・ZEH Oriented | 70万円/戸 |
ZEH+実証事業 | ・ZEH+ ・Nealry ZEH+ | 115万円/戸 |
ZEH+R強化事業 | ・ZEH+ ・Nearly ZEH+ | 125万円/戸 ほか |
Merit.2 身体にやさしい──ヒートショックを防ぐ
家の中で、部屋ごとに気温差が激しいと、「ヒートショック」と呼ばれる症状を起こすことがあります。
「ヒートショック」とは、急激な温度変化のために血圧が上下するために起こる症状で、最悪の場合は脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる事態にもつながることがあります。
しかし、住宅の断熱性が高いと、こうした家の中の気温差が均一に保たれ、ヒートショックのような症状が起こるリスクを下げてくれます。
また、断熱性が高いということは気密性も向上するので、カビやダニの抑制も期待できます。
ZEH住宅は、このように身体にやさしい、住む人の健康にも役立つ住まいなのです。