前回のコラムでは、万が一地震の被害に遭ったときのために備えておくべきものについてお話ししました。
しかし、地震への備えは「もの」だけでは十分ではありません。
今回は持ち出すものや家具固定の他に用意しておく「こと」についてお話しします。
用意しておくべきこと
ライフラインが止まってしまった場合、当然一番に必要になるのが「水」。1週間分を4人家族で計算すると84リットルも必要になります。前回のコラムをお読みいただき、「そんなに備蓄する場所は我が家にない」と思った方も多いことと思います。
実は、トイレのタンクには、いつも新鮮な水道水が10リットル程入っています。日頃からトイレタンクの中をつねに掃除して、万が一の時には飲めるようにしておけば、もしもの時に命を助けてくれる飲料水として活躍してくれます。
他にも、家の中で水を溜めておいた方がいい場所はお風呂の浴槽。お風呂上がりに浴槽のお湯を抜かずにとっておけば、万が一の時でも約200リットルの水を生活用水として使うことができます。
家族で話し合っておくこと
他に、避難後にどういう行動をとるか、家族で話し合っておくことも忘れてはいけません。
地震が起きたときは、より安全な場所に身を置くことが大切ですが、いざというときに正確な判断をするのは大人でも難しく、外出中の子供にはなおさらです。
火災・津波・液状化・土砂災害といった二次災害の危険度や建物の耐震性などから、どこに避難したほうが安全かを考えておきましょう。
津波の恐れがあって自宅が海側にあるなら家には戻らず高台や高い建物に向かって逃げる、自宅と学校の中間に居てどちらに避難すればよいか迷ったときには、より耐震性のある建物の方に避難するなど、お住まいの場所に応じてあらかじめ取り決めておくと安心です。
震災時はSNSが大活躍?
東日本大震災の際、被災地では混雑により電話がなかなか繋がらず、メールも届いているのかわからないと不安を掻き立てるような状態に陥ってしまいました。
そんな中、Facebookやtwitterなどでは「親戚の住む地域の被害状況がわかった」「知人の安否確認ができた」など、SNSが大活躍しました。
また、現在スマートフォンを使っている方の多くが使用しているLINEは東日本大震災がきっかけで誕生し、「既読」機能も返信いらずの安否確認ツールとして導入されているそうです。
使い慣れている方は問題なく利用できる便利なツールですが、家族に高齢者がいる場合などは、いざという時に連絡が取れなくなってしまうかもしれません。何もないうちからSNSの使い方も伝えておくと、より安心できるかもしれません。