東日本大震災でも多くみられた液状化現象による建物被害。万一の際に、なるべく住まいの被害を少なくするためには建物の耐震性能だけではなく、液状化についても知識を持っておくことが大切です。本日は液状化現象について解説をいたしますので、基礎知識をつけておきましょう。
液状化とは
液状化とは地震が起こった際に地盤が一時的に液体のようになってしまうことをいいます。
埋め立て地などの砂質の地盤で起こりやすく、地震が起こった際の振動によって地盤が水に浮いたような状態になることで液状化現象が発生します。
液状化しやすい地盤とは
地震が起こった際の被害として多くのメディアでも取り上げられた液状化現象ですが、決してどこでも起こるわけではありません。液状化は以下の3つの要因が揃った場合に液状化が起こる可能性が高くなるといわれています。
1.緩い砂地盤は液状化しやすい
海岸や河口付近、埋立地や河川の扇状地などでは液状化が多くみられます。地盤の硬さを示すN値(N値とは、地盤に差し込んだ杭に特定の方法で重りを落下させ、一定の深さに打ち込むために必要な落下回数のことで地盤の硬さを示します。N値が大きいほど地盤は硬くなります。)が20以下で、土の粒子の大きさが0.03mm~0.5mmの地盤が一般的には緩い砂地盤といわれています。
2.地下水の位置が浅いと液状化しやすい
地下水位が地表面から10m以内で、地下水位が浅いほど液状化が起こりやすいといわれています。
3.大きな地震の揺れによる影響
当然ですが地震の揺れが大きければ大きいほど、液状化する恐れがあり揺れている時間が長くなるにつれ液状化の危険性が高まります。
過去に液状化した地盤は危険!?
一度、液状化した地盤が再び液状化することを「再液状化」といいますが、過去に液状化した場所は再度液状化する可能性が高いといわれています。
これは、液状化が起こり沈下した場合でも、液状化しないために必要な地盤の固め量が半分程度にしかならないのがその理由です。
日本各地で大きな地震が起こった際に、液状化が発生している地域は過去に液状化した地域だったということも事例ではたくさん挙がっています。
そのため、住まいづくりを進める中で土地を選ぶ際は、過去に地盤沈下し液状化した土地かどうかを知っておくことが大切なポイントです。