木造住宅を検討中の方で「ラーメン工法」という言葉を聞いたことがあっても、案外詳しくは知らない方が多いのではないでしょうか?
ラーメン工法は近年大手ハウスメーカーが採用したこともあり注目を集めています。
今回はラーメン工法がどういった構造なのか、そのメリット・デメリットに注目してご説明したいと思います。
木造ラーメン工法って?
木造ラーメン工法は、ドイツ語で「枠」を意味する言葉で、長方形に組まれた骨組み(部材)の各接合箇所を剛接合したものをいいます。基礎を作った上に垂直に柱を立て、水平に梁を張ることによって建物を支えるシンプルな構造形式です。
身近な例を挙げるとすれば、4本足の椅子に似ているのではないでしょうか?椅子に体重をかけても問題ないのと同じように、柱や梁の接点をしっかりつなぎ、強靱な「枠」をつくることで変形をとどめ、建物を支えています。(図1)
もともと鉄筋コンクリート構造などで用いられていたのが、木造でも実現できるようになった工法です。
木造ラーメン構造は古くから存在し、特に大型施設などで多く採用されていますが、一般住宅で採用されるようになったのは最近の話です。
ラーメン構造のメリット・デメリット
では、ラーメン構造はどういった点で優れているのでしょうか?
そのメリットは、枠さえきちんと組めばしっかりとしているので、今まで不安の多かった木造での大空間や3階建ても可能になること。
また、壁がなくてもよいので大きな開口を取ることができ、柱さえ気にならなければ壁の位置も出入り口の位置も、室内の間取りを自由に決めることができることです。
コンクリート造りでよくある間取りを、環境に優しく心安らぐ木材で実現することができるようになりました。さらに、同じ理由からリフォームでも融通が利きやすいと言われています。
木造ラーメン工法は、その他の外壁材・各種設備関係などがよくなってきていることも重なり、耐久性も上がってきているようです。その為、資産価値として家を建てるという考えの方や、10年先のリフォームを見越して家を検討される方も増えてきました。
一方、ラーメン構造のデメリットは、柱と梁の接合部に力が加わりやすいので、地震の横揺れには弱いという欠点があります。震災レベルの地震には耐えることができません。
また、ラーメン構造は壁も薄くすることが可能なため、隣の部屋の物音がよく聞こえることが多くなります。
これはラーメン構造を多く採用する木造アパートなどでもよく取り上げられる問題ですが、鉄筋コンクリート造りであっても、ラーメン構造だと同じことが起きます。
気になる価格は?
それでは、木造ラーメン工法の価格はどの程度なのでしょうか?
施工する会社により差が出るのはもちろんですが、結論からいうと一般的には木造の2×4工法や軸組工法よりは少し価格は上がる傾向にあります。
とは言っても、プランニングによっては鉄筋コンクリート造りなどと比べるとお値打ちになるケースが多いです。木造ラーメン工法を考える際は、何社か声をかけて検討してみることをオススメします。