2000年の建築基準法改正以降、家を建てる場合は地盤調査を行うことが実質的に義務付けられるようになりました。
今回は、意外と知らない人が多い、地盤調査の内容について詳しくご説明します。
地盤調査って何?
地盤調査とは、建物を建てる際に、その地盤の性質の把握などを目的として地盤を調査することです。この調査により必要な改良工事などが解析され、基礎を選ぶときにも役立てられます。
土地を選ぶ際には地域の特徴などを図書館やハザードマップを用いて自分で調べますが、それよりももっと詳細な、家が建つ場所の地質を調査するのが今回ご説明する「地盤調査」です。
これは一般にその土地が家の重さに耐えられるかどうかを調査するため、家の設計が決まってから行われます。同じ土地でも、家を建てる場所や大きさ、木造かコンクリート造かで調査する箇所も変わってくるからです。
地盤調査ってどうやるの?
地盤調査にも種類があり、戸建て住宅で使われる地盤調査の方法は主に「スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)」、「表面波探査法」の2つです。
ボーリング調査という試験を聞いたことがある方が多いのではないでしょうか? これにより得られる「N値」は地質学などでも広く利用されていますが、ビルなどの大きな建築物を建てるときに一般的に行われる地盤調査のひとつのため、今回は省略させていただきます。
スウェーデン式サウンディング試験
先端がスクリューになったロッドを回転させながら、地面に突き刺します。 この回転数により、地盤の硬軟を判断する方法です。25センチごとに地盤の支持力がどのくらいあるのかが分かります
この方法は、名前の通り、スウェーデンで最初に取り入れられた試験方法です。
日本でもJISで規定されていて、試験の手軽さと調査費の安価さ、既存の建物があっても調査が可能などの理由から戸建住宅では一般的な試験方法になりました。
ただし、地中の石などの影響を受けることがあるため、調査の中でそれを見分けられる調査員かどうかによって試験結果が大きく変わることがあります。他にも、慣れた調査員と不慣れな調査員では試験結果が大きく変わる場合がありますので、心配な方は「全自動の測定機器を使いたい」と伝えるといいかもしれません。
表面波探査法
レイリー波探査法とも呼ばれる表面波探査法は、起振器というもので地面をゆらして、振動の伝わる速さで地盤の固さを調べる方法です。 データの変化から、地層の境界を判別し、各層ごとにどのくらいの支持力があるかを判断します。
科学的な方法で数値として現れるため、調査員の技量に左右されることが少なく、一定の正確さを持った方法と言えます。ただし深いところでは精度が落ちるため、表層部での診断となります。
調査日数や費用は?
どちらの試験も半日〜1日程度で完了します。
費用に関しては、調査範囲はもちろん調査会社によっても差があり、30~40坪くらいの場合、サウンディング試験の場合は5箇所の測定で50,000円前後、表面探派試験の場合は10万円弱程度になることが多いようです。